仲人親とは、仲人が夫婦にとっては親に代わる大事な存在であるということをあらわしています。夫婦の間にトラブルが起こったり、生活が行きづまったりすると、仲人のところへ駆け込んでめんどうを見てもらう、また、それらをすべて解決してやるのが仲人の責任とされてきました。今日でも、仲人をたのんでくる側には、こちらの予想を越えて打算の念が働いていると見なければなりません。わが国のようなタテ社会では、上役や実力者に仲人をたのむことによって将来の出世や成功とまでいかなくとも、身分の保証をしてもらえるという下心を持つのはやむを得ないこしとでしょう。といって、仲人をした側では、その夫婦の面倒かトコトソまで見てやらねばならないものでしょうか。そうなると仲人をするのはたいへん重い義務を背負い込むことになって、うっかり引受けられなくなります。今日では、そんな仲人と夫婦との義理や、封建的な観念は拭い去らねばなりません。結婚はあくまでも本人同士のものであり、仲人はそれを一般に披露する役めを果たすだけというのが今日の頼まれ仲人の本質的な役割です。そうだとすれば、夫婦の結婚後の生活まで立ち入っためんどうを見る必要も、責任もないのがとうぜんで、うまくやるもやらぬもすべては二人の責任であると突っ放すほうか、夫婦のためにかえってよい結果となる場合が多いのです。そして、ときには相談にも乗ってやる、そんな「つかず離れず」の態度で、いつまでもしずかに、あたたかい心で見守ってあげるのがよいと思います。