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素人集団が成功した

成功すれば大きな利益と社会的な名声を得ることができるテーマとは、誰もが望んでいるけれどもまだ誰もが成功していないテーマである。そのようなテーマは数多くある。しかし、成功の確率はきわめて低く、非常識なテーマでもある。非常識なだけに競争者は少ない。ひょっとしたらうまくいくかもしれないと夢想させるほど未知の部分が大きい。成功につながる未知の現象が発見できれば、一発逆転が狙える。一匹狼のイノベーターが狙うのは、まさにこれなのだ。青色発光ダイオードの開発はその代表例であった。青色発光ダイオードを実現する前に立ちはだかった壁は三つあった。単結晶薄膜をつくること、p型の9zをつくること(ふつうに結晶をつくると、窒素は結晶中に入りにくいため不足したり、酸素が入ってしまったり、Gがまともな位置に入らなかったりして、結晶は電子が余った状態、つまりn型になる)、眼に見える青色を出すためにインジウムを加えた単結晶薄膜をつくることの三つである。Qをだけでは発光は紫外領域になってしまい、眼に見えない。発光ダイオードをつくるには、電子がすみやかに移動するために、まず結品方向のそろったきわめて薄い薄膜状の単結晶が必要だが、薄すぎてそのままではつくることができない。ふつうは厚い土台(基板)の上に薄い結晶をつくる。つくり方は、たとえば必要とする元素を含む複数の有機化合物のガスを基板の上に流し、基板の上でガスを分解して元素どうしを反応させ、徐々に結晶を積み上げていく。このような結晶成長の方法を、「有機金属化学的気相成1法(MOCVD)」という。積み上げていくのだが、積み上がっていく結晶の原子の間隔とほぼ同じになるような原子の間隔をもつ基板を選ぶことが重要である。なぜなら基板の原子に積み上がっていく原子が直接的に結合して、はじめて薄い結晶が成長するからだ。これを「結晶整合性」という。結晶整合性がないと結晶性のよい薄膜単結品をつくることはできない。単結晶薄膜の作成には、それまでの発光ダイオードで蓄積されてきた常識が通用しなかった。OQz単結品薄膜をつくるには、oozの結晶格子(結晶をつくる原子または分子がつくる格子状の配列構造)と整合性のある基板が必要なのだが、その基板となる大きな単結晶をつくることができなかったのである。1985年に名古屋大学の赤崎勇と天野浩は、あえて結晶整合性のないサファイア(酸化アルミニウム)を用い、その上に窒化アルミニウムのバッファ層をつくり、さらにその上に単結晶薄膜をつくることに成功する。クッション材として使ったのだ。